動悸がする
皆様は普段の生活の中で、動悸を感じる事はありませんか?
「動悸」とは?
「動悸」とは、心臓の鼓動を自覚する状態のことをいいます。動悸はよくある症状で、心臓の脈が強く打っている感じがしたり、脈が速い•遅い、脈が飛んだり、バラバラになっている感じがするなど、患者さんが訴えられる自覚症状も様々です。
「動悸」の原因は?
それでは動悸の原因とは一体何でしょうか?動悸といっても生理的な動悸(特に病気ではないもの)もあれば、心臓自体に原因があることや心臓外に原因がある場合など様々です。
①生理的な動悸(病的ではない動悸)
- 運動に伴うもの
- 強いストレス(不安、恐怖、痛みなど)、睡眠不足に伴うもの
- アルコール、カフェイン、タバコの過剰摂取に伴うもの
②心臓に原因がある場合
- 心拍をコントロールしている電気信号に異常がある場合や心臓の筋肉や血管、弁に異常がある場合など。(心房細動などの不整脈、心不全、狭心症、弁膜症など)
③心臓以外に原因のある動悸
- 体の水分が足りない状態(脱水)
- 普段より血圧が極端に低い(低血圧)
- 血液が薄い状態の時(貧血)
- 高熱がある時(発熱)
- 甲状腺ホルモンに異常がある時(バセドウ病)
- 体の中のミネラルバランスが崩れている時(電解質異常)
- 普段飲んでいる薬やサプリメントの副作用(薬剤性)
④その他
- 心臓神経症(心因性の動悸。医学的に明らかな異常を認めないが、動悸を持続的に感じてしまう状態。)
「動悸」のチェック項目は?
「①生理的な動悸」は多くの場合明らかな異常を認めることは少ないです。しかし、必ずしも異常がないわけではないので、基本的には心臓を中心に検査をすることをお勧めしております。
以下の項目に多く当てはまる場合は医療機関を受診することをお勧めいたします。
- 安静にしていても治まらない。
- ふらつきやめまい、場合によっては意識を失うことなどがある。
- 同時に息切れや胸の痛みがある
- 高熱がある
- 普段より極端に血圧が低い
- 普段より極端に脈が速い、もしくは遅い
- 脈が飛んだり、バラバラになっている
- 今までに心臓の病気を指摘されたことがある
「動悸」の検査は?
当院では命に関わる心臓の病気を中心に、優先順位をつけながら検査をしていきます。まず、血圧・脈拍数の測定、体温測定、体内の酸素濃度測定などを行います。不整脈のチェックのために心電図検査や心エコー検査を行います。心臓以外のチェックのために採血検査で、貧血の確認や甲状腺ホルモンのチェック、また、電解質のチェックなども行います。不整脈が強く疑われる場合は、24時間心電図検査(ホルター心電図検査)のご案内も適宜行っております。
「動悸」の治療法は?
動悸の治療は上記の通り原因により様々です。生理的な動悸であれば生活習慣を整えるなどの対応で治療は必要ないことの方が多いですが、そうでない場合は原因を考えて治療することが大切です。特に心臓に原因がある場合は注意が必要で、場合によっては命に関わるような病気が見つかることもあります。そのため当院ではまずは心臓を中心に検査を行い、患者様の背景や既往歴などを参考に必要に応じてそれ以外の原因も同時に検査していきます。そして動悸の原因がわかればそれに応じた治療を行っていくという流れです。患者様の中にはどれだけ検査をしても明らかな異常所見を認めない場合もあります。その場合は心臓神経症(心因性の時)が考えられ、必要に応じて心療内科にご相談させていただくこともございます。
「動悸」が気になる患者様は当院にお気軽にご相談ください。
動悸は非常に多い症状の1つで、特に症状が続く場合は強い不安を感じられると思います。そしてその不安がさらに症状を悪化させることもよくあります。当院では循環器専門医が心臓を中心にお困りの症状の原因を一緒に考えさせていただきます。どうぞお気軽にご相談下さいませ。