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機械へのタスクシフト<予約システム>

【第5回】タスクシフト研究会のテーマは、機械へのタスクシフト<予約システム>について考えていきたいと思います。

皆様のクリニックでは予約管理はどのように行っていますでしょうか。一昔前までは、紙の予約台帳で人が管理していたかと思います。もちろん紙台帳が悪いわけではありませんが、「予約システム」を利用することで、患者さんだけでなくクリニックにとっても多くのメリットがあります。

予約システム導入のメリット

患者さんのメリットとしては、当然ですが患者さんの利便性が向上します。患者さんはスマホ・PCさえあれば、インターネットを通じて自分の好きな時間に自由に予約・変更・キャンセルが行えます。また、予約日時のリマインドメール機能などもあるので、予約忘れにも効果があります。

タスクシフトの観点からは、予約システムはまさに機械へのタスクシフトの代表格と言えます。そもそも人の手で予約管理をしていると、どうしてもミスが発生してしまいますし、これにより患者さんへのサービスの低下にも繋がってしまいます。

予約システムであれば、予約の空き状況の確認から実際の予約、そしてキャンセル及び変更を機械の助けを借りてできるので、ミスが起こりにくくなります。そして、スタッフの予約対応の負担を軽減してくれますので、空いた時間でその他の接遇業務(必要な電話対応や院内の案内など)に集中できるようになります。

また、適切に設定を行えば、予約枠を最大限に活用できるようになるので、クリニックの収益化にも繋がりますし、逆に予約の詰め込みすぎも防ぐことができ、診療キャパシティに応じた調整も可能となります。

さらにクリニックの診療時間外でも、24時間せっせと稼働してくれるため、患者さんの獲得にも大きく寄与してくれます。

予約システムの選び方・ポイント

このように予約システムはメリット多数ですが、導入する際、商品が多すぎてどれが良いのかわからなくなります。

そこで選択する際のポイントについて少しお話しいたします。

まずは当然ですが、その目的です。どのような運用で使いたいのか。例えば、時間帯予約が良いのか、あるいは順番予約なのか、もしくはその両方なのか。

診療科との相性もあるので最初に運用方法については詰めておいた方が良い思います。

また、複数の診療科がある、複数の医師が在籍している、多数の検査や医療サービスを提供している場合は、さらに注意が必要です。

なぜなら診療を行う上で、マンパワーや診療スペースは予約の時点で同時に押さえておく必要があり、それらを効率よく予約システムで管理するためには、自院オリジナルの予約設定が必要となるからです。

さらに予約システムと周辺機器・ソフトとの連携が可能かどうかも重要なポイントとなります。

特に重要なのは電子カルテとの連携です。電子カルテと連携していなければ、チェックイン時に電子カルテ側での受付や頭書きの手間が増えてしまいます。自動受付機もスムーズに使えなくなります。

また、WEB問診との連携も重要です。予約管理画面でワンクリックで問診内容がわかることで、確認作業が軽減されます。

近年ではLINE予約も重要だと思います。社会のインフラ化したLINEからログインなしでダイレクトに予約がとれる機能はおすすめです。最短で数十秒で予約が完結します。

WEB予約が苦手なご高齢の患者さんなどには、使い方次第でIVR(電話自動応答)による予約も一つの選択肢となります。

そして、細かい話になりますが、意外と管理画面のUI(ユーザーインターフェイス)が大切です。予約機能は申し分なくても、管理画面のUIが悪いと、ストレスが増えます。多くの情報を管理する画面となりますので、単純に見にくい、ということが起こります。そのため、導入前には必ずデモで管理画面を自分で触ってみるのを強くお勧めします。

また、患者さん側の予約画面のUIも大切です。これも単純に予約しやすい画面かどうかです。必ず導入前に患者さん側の予約画面とクリニック側の管理画面はしっかり確認するようにすると良いでしょう。

なお、ITにあまり詳しくない方はアフターサービスがとても重要だと考えています。そこはメーカーに事前に確認するのがおすすめです。電話対応がほとんどNGの場合もあるので要注意です。

まとめ

予約システムは診療システムのまさに“ハブ”とも言える存在であり、クリニックにおいて効率性、経済性、患者満足度を向上させる非常に重要なツールだと考えられます。そのため、クリニックのニーズに合わせて最適な予約システムを選択し、導入することが望ましいと思われます。

100%の予約システムはないかもしれませんが、機能・値段・アフターサービスなどトータルで決めるのが望ましいと思います。(少なくともコンサルの言いなりで決めるのは危険だと思いますので、最低でも3社程度は比較検討された方がよろしいかと思います。)

電子カルテ同様に、予約システムは一旦導入してしまうと、途中で変えたくてもスイッチングコストが高く、困難なケースが多い印象です。しっかり見極めた上で、自院にマッチする最適解を見つけていただくことを強くお勧めいたします。

 

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