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歩くと足が痛くなる・足が冷える

そんなに長い距離ではないのに「歩くと足が痛くなる」、「足が冷える」などの症状はありませんか?
これらの症状を感じる場合、「足の動脈硬化」が進行しているかもしれません。

「足が冷える」「歩くと足が痛くなる」原因は?

歩くと足が痛くなったり、足が冷える・しびれるなどの症状が現れる場合、高齢者であれば、足の血管が細くなり血流が悪くなっている、もしくは、腰の神経を圧迫しているなどが考えられます。
代表的な病気を2つ記します。

足の血管が細くなり血流が悪くなっている状態

「閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)(ASO)」

加齢などで背骨にある脊柱管と言うところが狭くなり、その内部にある神経が圧迫されている状態

「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」<補足>参照。

閉塞性動脈硬化症(ASO)って何?その原因は?

この病気の正体は「足の動脈硬化」です。
「動脈硬化」は皆様ご存知の通り、生活習慣病(肥満、高血圧糖尿病、コレステロール異常)やタバコ、ストレスなどが原因で発症する病気です。
そのため、ASOも同様のものが原因となります。
足の動脈硬化が進むと、足の血管はどんどん細くなります。
そのため足先に行く血流が悪くなり、安静時であれば症状が乏しいこともありますが、歩行や運動などで足の筋肉にいつもより多くの血液と酸素が必要な状況になると、血行不良から「足の酸素不足」を招きます。
その「足の酸素不足」こそがまさに痛みの原因なのです。

閉塞性動脈硬化症(ASO)の症状や注意点は?

この病気の症状の特徴は、歩行や足の運動を行うことで、足に(特にふくらはぎに)痛みやだるさ、足の冷えなどが起こります。
こうした症状は10分程度、足を休ませることである程度改善します。
このように歩くと痛くなり休むと改善する歩行障害のことを「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」といいます。
「間歇性」とは一定間隔では起こる事で、「跛行」とは足を引きずると言う意味です。
ASOの患者さんの30%程度にこの症状が発症すると言われております。

実はこの病気自体の生命予後はそれほど悪くありません。
しかし、根本の原因が動脈硬化であるため、「足以外の動脈硬化」が同時に進行している可能性が考えられ注意が必要です。
中でも命に関わる動脈硬化の病気として、「狭心症」や「心筋梗塞」、「脳梗塞」などが挙げられます。

「ASOって、ただの足の動脈硬化でしょ?命に影響しないでしょ?」と安心してはいけません。
動脈硬化は全身病で地続きになっています。
足に動脈硬化があれば、他の大切な臓器(心臓や脳)でも同様に動脈硬化が起こっている可能性が高いと考えて下さい。
そのためASOを疑う患者さんがいた場合は、同時に心臓や脳梗塞のチェックも行った方が良いと考えられます。

閉塞性動脈硬化症(ASO)の検査は何?

まずは診察で足の状態の確認をします。
足の色や温かさ、足の動脈の拍動が触れるかのチェックをします。
ASOが疑われる場合は、まずは「ABI」という検査をします。
ABI検査とは、足の血圧と腕の血圧を同時に測定する簡単な検査です。

ABI=(足の血圧) ÷ (腕の血圧)

本来足の血圧の方が腕の血圧よりも高いので「正常値は1.00以上」です。
しかし足の動脈硬化が進行していると、足の血圧が相対的に低くなるため、ABIは「1.00未満」となります。
そのため1.00未満の場合は、ASOを疑うことになります。
必要に応じて、血管エコー検査を行う場合もあります。

さらに精査が必要な場合は近隣の医療機関にご紹介の上、造影CTやMRA(CTやMRIで動脈の状態を画像化)、場合によってはカテーテル検査などで血管の状態を実際に見ることもあります。

※ASOが疑われる場合は、心臓や脳の動脈硬化も合併する可能性があり、必要に応じて検査をご提案致します。

閉塞性動脈硬化症(ASO)の治療法は?

  • まずは生活習慣を整えます。肥満の改善や禁煙を行い、生活習慣病(高血圧、糖尿病、コレステロール異常)の管理も同時に行います。
  • 適度な足の運動も効果的です。毎日10分から30分程度、規則正しく運動することが大切です。歩行中に痛みを感じた場合はその都度休憩し、治ったら再開する。これを繰り返すことで、血管の脇道(側副血行路)が増えて足の血流がよくなることもあります。
  • 必要に応じて血液サラサラのお薬を内服する場合もあります。
  • 生活習慣の改善や薬物療法を行っても症状の改善がない場合は、カテーテル治療及び血管外科的治療を行う場合もあります。

補足

「腰部脊柱管狭窄症」について

腰部脊柱管狭窄症は上でも少し触れましたが、原因は背骨の神経の通り道が狭くなり神経が圧迫されることで起こります。
ASOとの大まかな違いは、腰部脊柱管狭窄症の場合、症状が両足に起こることが多い、前傾姿勢で症状が改善する、症状がふくらはぎより太ももに多い、足の動脈はしっかりと触れるなどです。
ASOより腰部脊柱管狭窄症が疑われる場合は、近隣の整形外科にご紹介いたします。

「足が冷える」「歩くと足が痛くなる」などの症状がある場合は当院にお気軽にご相談ください。

当院では循環器専門医が足の血管を中心に症状の原因を一緒に考えさせていただきます。
足の動脈硬化がある場合は全身の動脈硬化も同時進行している可能性がありますので、注意が必要です。
中には命に関わるような動脈硬化の病気(狭心症や心筋梗塞、脳梗塞)なども併発している可能性があります。
必要に応じて適切な検査などもご提案可能ですのでどうぞお気軽にご相談下さいませ。

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