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睡眠時無呼吸症候群について

皆様は普段日常生活で、いびきを家族に指摘された、夜中に息苦しくて目が覚める、何度もトイレに目が覚める、日中のつよい眠気や疲れ、朝の頭痛等を感じた事はございませんか?これらの症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群とは?

簡単に説明すると、以下のような状態を繰り返すことをいいます。

無呼吸→酸欠→目覚める→無呼吸→‥‥(繰り返し)

何らかの原因で無呼吸になると、体の中の酸素が欠乏して息苦しくなり目が覚めます。目が覚めると呼吸が楽になり酸素の状態も改善して、また気持ちよく寝ることができるようになります。しかし、寝るとまた無呼吸となり、酸素が欠乏して息苦しくなって目覚める‥‥(繰り返し)
この繰り返しを、「睡眠時無呼吸症候群」といいます。

睡眠時無呼吸症候群の原因は?

①肥満により喉の周りに脂肪がついて空気の通り道が狭くなってしまう。
②顎が小さかったり、顎が後ろに奥まっていて喉が狭い状態。
③舌が大きい。
④扁桃腺やアデノイドが大きい。
⑤加齢とともに喉の筋肉が緩む。

睡眠時無呼吸症候群のチェック項目は?

周りの人に指摘されることが多い症状

①いびきをかく
②無呼吸になる
③苦しくて目が覚める、苦しそうな呼吸をしている

自分自身が感じることが多い症状

④何度も目が覚める
⑤何度もトイレに目が覚める
⑥日中の強い眠気、疲れ
⑦朝の頭痛

このように睡眠時無呼吸症候群は周りの人に指摘されて初めて気づくケースも多いのが特徴です。自覚症状があまりなくても実は睡眠時無呼吸症候群だったと言うこともよくあるので、周りの人からいびきなどを指摘された際は、睡眠時無呼吸症候群を疑って検査をすることをお勧めいたします。

睡眠時無呼吸症候群は何で悪いの?

睡眠時無呼吸症候群なんて単なる無呼吸でしょ?命に関わるようなものじゃないでしょ?と安易に判断しないほうが賢明です。というのも、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群を放置した場合、10年後に約15%の方が亡くなっていると言う報告もあるからです。また、高血圧や心臓病の原因となったり(不整脈心不全など)、脳卒中(脳梗塞、脳出血など)の原因となることもあります。睡眠時無呼吸症候群は、自覚症状と重症度が一致しないことがあるため、検査をしてみたら実は重症だったと言うこともよくあります。周りからいびきがうるさいと言われるなど、疑わしい症状がある場合は、単なるいびきだと片付けずに早めにチェックすることをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群の種類は?

①閉塞性睡眠時無呼吸症候群(最も多いパターン)

 →物理的に喉を閉塞させてしまう。太っている人や、男性の方に多く、高齢者や、もともとの顔の形(顎の形、喉の形、舌の大きさ)などに関係すると言われています。

②中枢性睡眠時無呼吸症候群(少ない)

 →心臓や神経の障害によって体そのものが呼吸をサボってしまうもの。頻度としては少ないですが、見つかった場合は重症の部類と考えた方が良いです。

睡眠時無呼吸症候群の検査は?

①携帯型簡易アプノモニター(※自宅で行える簡易検査です)

  • どのくらい息が止まっているか?
  • どのくらいいびきをかいているか?
    →これらが簡単に分かります。検査は基本的に二日間行います。そして1時間あたりどれだけ呼吸が乱れているか(止まったり、止まりかけたり)を数値化(AHI)して重症度を判定します。( AHI:無呼吸低呼吸指数)
※この検査の注意点
  • 呼吸の状態は評価できるが、睡眠の状態までは分からない。
  • 患者さんが機械を自宅に持ち帰り行う検査であり、さらに睡眠中の検査のため、きれいに測定ができないこともある。(二日間測定するケースが多いので、きれいにデータが取れた方を評価に使うことがある。)
  • あくまでも大雑把な検査のため詳細なところまではチェックできない。そのため疑わしい場合はさらに精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行っていただくことがある。

②終夜睡眠ポリグラフ検査(精密検査)

簡易検査で診断がつかない場合、さらに精度の高い睡眠ポリグラフ検査を行う場合があります。こちらは簡易検査とは違い自宅では行えませんので、入院して検査することとなります。こちらでも同様に、1時間あたりの呼吸の乱れを数値化して重症度を判定します。

AHI(無呼吸低呼吸指数) →無呼吸と低呼吸の合算(1時間あたりの数値)

軽症: 5から15回
中等症: 15から30回
重症: 30回以上

このように数値化して重症度の判定を行います。

睡眠時無呼吸症候群の自分でできる対策は?

治療を行う前にまずご自身でできることを以下に記します。

①まずは肥満の改善
②横向きに寝るようにする
③酔っ払って寝ない
④睡眠薬の量を調整する(睡眠薬は喉の周りの筋力を緩めることがあるため)
⑤禁煙(タバコは喉を荒らすので喉がむくみ詰まりやすくなるため)

睡眠時無呼吸症候群の治療は?

上記のようなご自身でできる対策を行っても効果が不十分な場合も多いので、その場合は治療を行うこととなります。

①CPAP(シーパップ)治療

睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法です。中等症以上で治療適応のある患者さんは、まずはCPAP治療を行うこととなります。CPAPとは鼻マスクのような物を装着して、睡眠中に空気の通り道が狭くなった時に、そのマスクから空気を送り込むことで空気の通り道を確保してくれる装置となります。最近の装置は自動制御モード(auto CPAP)で睡眠時の呼吸状態を自動で管理してくれます。装着時間は一般的に、一晩最低4時間以上、週5日間以上の装着が望ましいとされてますが、あまりこだわりすぎると長続きしない傾向にありますので、6割位の感覚で行うと良いこともあります。CPAPの副作用として、送り込まれる風により口がカラカラになることがあります。その場合は風圧の調整をしたり、CPAPの機械に加湿器をつけるなどで対応します。CPAP治療をうける場合は、基本的に毎月通院する必要があります。

②マウスピース

効果はCPAPほどは得られないことが多いですが、中等症以下で何らかの事情でCPAPが使用できない方や軽症の患者さんで使用することがあります。マウスピースはクリニックでは作れませんので、歯医者さんにご紹介して作っていただきます。マウスピースの副作用としては、顎が痛くなる、唾液が増える、噛み合わせが悪くなるなどがありますのでご注意ください。マウスピースを歯医者さんで定期的にメンテナンスしてもらうことも大切です。

睡眠時無呼吸症候群を疑う場合は当院にお気軽にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群はとてもに多い病気です。ご自身で気づかれないケースも多々あり、放置した場合は命に関わるような病気を誘発することもあります。ご家族にいびきがうるさいと言われたり、ご自身で夜中に息苦しくて目が覚める、何度もトイレに目が覚める、仕事中いつも眠い、など気になる症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群を疑って積極的に検査することをお勧めいたします。当院ではご自宅で検査可能な携帯型簡易アプノモニターをご用意しております。検査希望の方はお気軽にお申し付けください。

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