クリニックにおけるタスクシフトとは?
タスクシフトとは、
「仕事の一部を他の職種やツールに任せることで、仕事の負担を軽減すること」です。
例えば、2021年9月に厚生労働省から通知された具体例を挙げると、以下のようなものがあります。
- カルテの代行入力
- 診断書など各種書類の代行記載
- 問診票の代行聴取
- 検査に関する説明や同意書の代行受領
- 入院時のオリエンテーション
- 院内での患者移送や誘導
- 症例実績や各種臨床データの整理、研究申請書の準備、カンファレンスの準備、医師の当直表の作成など
これらのうち、クリニック運用に関連するものは主に「1 〜 4」 までです。
これまで医師の業務とされていたタスクを他の職種に移譲することで、医師は本来の仕事である「診療」に集中することができます。
そして、これらの中でも「カルテの代行入力」が重要だと考えております。
単に代行入力と言っても、ただ喋っていることを入力するだけではありません。なぜなら、我々が目指す「カルテの代行入力」とは、疾患概念を一定程度理解したクラークが、整理しながらカルテに入力することを目標としているからです。
そのため、このレベルに到達するには時間がかかるだけでなく、適切な教育も必要です。その意味で、カルテ代行入力はタスクシフトの中でも“診療の要”ともなる、高度な知識を必要とした、非常に重要な役割であると考えています。
なお、タスクシフトは医師から他職種への移譲だけでなく、他職種から機械やツールへの移譲も含まれます。移譲先がキャパオーバーにならないための仕組み作りをITツールを利用して効果的に行なっていくことも重要だと考えています。